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のんびり映画雑記帳

ジャンゴ~繋がれざる者」とマカロニ・ウエスタンのことなど

先日この欄で触れた映画、アカデミー賞ノミネート作品「ジャンゴ~繋がれざる者」を観てきました。

タランティーノ監督のこの映画、前にも書いたけど、週刊文春の5人の辛口映画評論家のうち4人が満点をつけていたので大いに期待していざ映画館へ行ったのでした。
サービス精神一杯のあのタランティーノ監督だからどんな面白い映画だろうと期待しながら。
結果は、165分という長い物語にもかかわらず私としては85点という面白い映画でした。
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ジャンル的には西部劇。それもアメリカ映画の正統的な西部劇ではなく、今はもう全くすたれてしまったイタリア発の「マカロニ・ウエスタン」
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今をときめくクリント・イーストウッドの若かりし日、まだ無名に近い俳優だった彼が「荒野の用心棒」「夕日のガンマン」などで日本でも人気沸騰したのを懐かしく思い出します。
今から40~50年前のことでしょうか。
この映画はそのマカロニ・ウエスタンへ敬意を捧げる映画でしょうね。


この映画はクエンティン・タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」以来3年ぶりの監督作で、ジェイミー・フォックスを主演に迎えた西部劇。

妻を取り戻すため、賞金稼ぎとなった元奴隷のジャンゴが過酷な戦いに挑む・・・。

「ジャンゴ」という名前はかつてのマカロニ・ウエスタンに何度となく出てきた懐かしいヒーローの名前。「DJYANGO」邦題「続・荒野の用心棒」で初めて使われた名前だと思います。

今現在公開中なので詳しくは触れませんが感想を簡単にのべますと
1、時代は南北戦争の2年前の設定であり、当時のアメリカにおける奴隷がいかに粗末で残酷に扱われていたのかを実感する映画です。奴隷同士を闘わせて、それを見て楽しむ・・・・まさに残酷なシーンが出てきます。
2、映画の冒頭からまさにマカロニ・ウエスタンの雰囲気満載です。シーンも音楽も。
その昔クリント・イーストウッド、ジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロなどの恰好のいい雄姿にあこがれていた人には懐かしい映画です。

3、タランティーノ監督だから残酷なシーンが出てくるのは覚悟の上でしたが、まさに血が飛び散り肉も弾け飛ぶ・・・・昔のマカロニ・・・もそうでした。女性にはなかなかきつい映画かも知れません。
4、あのレオナルド・ディカプリオが農園主として悪役を演じています。初めての悪役のようですが、なかなか迫力満点で狂気を思わせる悪役振りは一見の価値ありです。他にサミュエル・L・ジャクソンの執事役もこれまた鬼気迫るすごい演技をしていますのでお楽しみを。
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5、タランティーノ監督の映画は、観客を飽きさせない映画というのでしょうか、次はどうなるのか、その次は・・・と思わせるのがうまい監督でしょうね。この映画もラストまでどうなるのか画面にくぎ付けでした。
6、映画の最後はおなじみの長いエンディング。2分ほど経ったころ観客は立ち始めました。この監督のことだから最後に何かするかもしれんと出口のところで画面を観ていたら最後の最後、ほんの2,3秒ほどでしたがサプライズがありました。観る人は必ず最後まで観てください。

とまあ、こんな映画でしたが、残念ながらアカデミー賞最優秀はもらえませんでした。映画的には最優秀の「アルゴ」のほうが上でしょうか。でもタランティーノ監督の映画はこれからも要注目です。

マカロニ・ウエスタンを懐かしく思う人は65歳以上の男性の方々、いわゆる団塊の世代の人以上のために「夕日のガンマン」のテーマ曲をどうぞ。
このテーマ曲でその後のマカロニ・ウエスタンの方向性を決めた曲です。そして若き日のクリント・イーストウッドが懐かしいです。私は彼がねじ切るよにたばこを咥えていたのが恰好よくて好きでした。

by suifuyon | 2013-04-12 18:44
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なつかしの映画・現代の映画 あれこれ思うこと

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